取り戻す世界、奪う世界

ルーツ

「私の曾祖母とあなたのお母さまは双子の姉妹だったの…宿敵であるヴァンパイアの幹部と恋に落ちたとはいえ、実際に思いを遂げて夫婦になったのは連合軍が出来て互いに敵ではなくなってからだと聞いている、だから、裏切り者などでは無いの、ただ、里に残されたひいおばあちゃんは辛い人生を送ったと伝えられているから…！」
「そう…」
ミライは、母が人間のまま一生を終えたこと、愛しているはずの領主さまやキョウジさま、そして自分を置いて早々に生涯を閉じてしまったことを疑問に思っていたが、少し、母の気持ちがわかった気がした。