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「こちらがヘリを使うと、沿岸部で飛行タイプのエイリアンが出現する可能性があるのです」
「飛行タイプ!」
朝鮮軍で未確認情報として聞いた新型のエイリアンの話が出てきたことに、ミライは驚きを隠せなかった。
実際に日本に上陸してから一度も見なかったことで、やはり何かの間違いだったのだろうと思い始めていた。
「その存在が、確認されているのですか?」
冷静にナナが問う。
「ええ、数は多くありませんし、こちらが使う兵器に合わせるかのように、ヘリを飛ばした時だけ出現します」
エイリアンは基本的に地球の生態系に適応して生活し、知的生命体を発見した時だけ牙を剥いて徹底的な殺戮を行う。
飛行タイプも、人間の手による飛翔体を見た時だけ凶暴性が発動する条件付けがされているのだろうか。
「ナナ、あいつらって、やっぱり侵略者そのものじゃなくて、侵略者の兵器なの?」
百年以上戦い続けて来た人類にとって、当然思い至る疑問であるが、連合軍総司令部も評議会も、その件には言及しようとしない。
ナナも、ミライに明確な答えは語らずにここまで来た。
「推測するのは自由だけれど、わたしはそれについて一切ここで触れるつもりはないわ、否定も肯定も」
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