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到着から一時間とかからずに隔壁が露出した。
厚さ2メートル程あろうかという鉄とコンクリートでできた隔壁が五重に設置されていて、エイリアンはおろか核攻撃にも耐えるのではないかと思う。
表面のコンクリートは、あくまでもここを壁に見せることに意味があるようだ。
「ここからは私が搭乗する車両一台で先導します」
隔壁が露出したトンネル入口は、訪問した五合目基地側の隊員が責任を持って守る。
大島一佐の車両に続いて進入すると、後方で隔壁が閉鎖されていく。
再び大島一佐の車両が戻るまで開かれることはなく、外にいる者たちが命がけで海ほたるの安全を確保するのだ。
ゼロ号機と機動戦闘車は、侵入者を減速させる為の障害物の間を縫うようにして走っていく。
トンネル内の至る所には遠隔操作の砲台が設置され、放火を集中させやすいように動線を制御する位置に障害物が置かれている事が見て取れる。
所々にエイリアンの外骨格の残骸が落ちているのは、完全に封鎖される前に侵入されたものか。
中型以上のエイリアンはともかく、人型はこの海底トンネルに設置された様々なメンテナンス用や避難用の進入口を辿って入ってくる可能性がある。
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