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僕の家は2階建ての一軒家で、表通りに面して2階のベランダがせり出しており、ベランダから身を乗り出すと、目の前に立っている電柱に触れることができた。
ナオの計画はその電柱をつたって、地面に降り立つというものだった。
しかしながら電柱に触るだけじゃなく、つかまって降りるとなると、ベランダの手すりに立ち上がらなくてはならない。ちょうど角の部分に両足を広げて仁王立ちする要領で、だ。
バランス的にはそれほど難しくはないが、いかんせん2階の部屋だから、それなりに高さがある。
はっきり言って、怖い。
高所恐怖症ではないはずだが、怖いものは怖い。
けれど、淡々と計画を口にするナオに「怖いから嫌だ」なんて絶対に言えなかった。いや、「NO」という選択肢は自分自身に対しても、絶対ナシだった。
なんと言っても、僕はアウトローだったわけで。
『深夜に家を抜け出す』ほどのアウトローがあるだろうか。いや、ない。
まさに、アウトローの中のアウトローなのだ。
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