編集者の事件メモ3(真木サワ)

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「クリスマスに予定はある?もしないなら、一緒にお祝いしない?」 シューズを眺めていたショウは、振り返るといった。 「え?、空いてないけど?」 サワの答えは、ぶっきらぼうだ。 「それ、超ショック。サワちゃんフリーだって言っていたのに、彼氏いたの?」 サワは慌てて否定する。 「クリスマスは金曜日、平日よ。普通に仕事があるから。」 (働くって、あなたみたいな学生とは違うのよ。勉強さえしていればOKってわけにいかないんだから。) 余裕のないサワ。お説教モードな自分が、つい余計なことを言いそうになる。 「そうだよね。俺も、バイトのシフト。」 ショウのテンションも下がる。 (いけない、いけない。私ってイヤミなやつ。) ショウはふわふわしていて、学生生活が楽しそうだ。私の仕事の悩みなんて、想像つかないだろうな。 明るいのは、彼の良いところ。 「仕事なんて、ちっとも楽しくないよ。年末は立て込んでて忙しいから、クリスマスの日は、疲れてて不機嫌かも。」 サワは話し出した。一度口を開くと止まらずに、感極まってつい泣けてくる。 その日ショウは、辛抱強くサワの愚痴に聞き入った。 「サワさん、大変だったんだね。仕事のことは俺には分からないけれど、よく頑張っていると思う。」 ショウは、とっても聞き上手だ。 「サワさんは、悪くないよ。ところで。ねえ、さっきのクリスマスの話だけど、仕事終わりにちょっとだけでも会えない?だめ?」
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