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サワは、これまでの中学での行いを見つめ直す。何度も何度も、繰り返して。
そもそも腹が立つ一番の原因は、母親だと思い至る。だが、怒りをぶつけようにも当の母親はもういない。そうこうしていると、今度は父親にも腹が立ってきた。父には何を訴えたところで、まるで暖簾に腕押しだ。どうして自分や家族を裏切った母に、父はいまだに甘いのだろう。
母が悪いと言いながら、サワは、母を快く思わない祖母にも居心地の悪さを感じる。どうして…?
私の一部は結局のところ、祖母が拒絶する母と同じなのだろう?
「将来の夢は?」
かけられるその問いに、サワはこう答える。
「私は、私の夢は。一刻も早く家を出て、自分の人生を始めることです。」
ロジックが母のそれと全く同じなことに、サワは今でも気付いていない。
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