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「真木サワさん。」
前回の面談時のことだ。
担任は、鼻をフンフンと2度も鳴らして上機嫌で言った。
「サワさん。受験してみない?これは、あなたとご家族が希望すればだけれど。挑戦してみるのは、とてもいいことだと先生は思う。」
高校に入学したての彼女の素行は、好ましくなかった。情緒はとても不安定で、指示に従わない…。
だが、目立って悪い生徒と言うわけでもない。彼女もまた青春真っ只中の可愛い生徒の1人であると、担任は受け止める。
卒業まであと一年。真木は随分と落ち着いついた。近頃は、授業も真面目に受けている。これから高校生活最後の半年、数ヶ月では伸びしろが充分に見込めるはずだ。
担任は、前のめりに進学を勧めた。
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