編集者の事件メモ3(真木サワ)

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その次の面談は、何の進展のないままやってきた。 「それで、あなたは受験しないのね。」 担任は、サワの顔を覗き込んで確認する。 「なるべく早く働きたいんです。」 答え方は、わざとらしいほどぶっきらぼうだったが、サワの心の内を気にかける人はいない。 「そう。分かったわ。」 真木サワのファイルは、パタリと閉じられた。 家に帰って、祖母に今日の面談のことを伝えた。 いかにも古風な主婦である祖母は 「勉強ばかり熱心でも婚期が遅れるから、それでよかったわよ」 と、しきりに孫を慰めた。 サワには、何もかもどうでもよかった。 これでせいせいした、と自分では思っていた。 今はただ、家族の援助を受けない真っさらな未来が待ち遠しい。
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