背徳のオメガ 2

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その言葉の一つ一つに反応する瑛翔がかわいい。そして最後のピザでついにテーブルを振り返った。 ピザは瑛翔の一番好きなものだ。 「どうする?チーズが固まらないうちに食べないとおいしくなくなっちゃうね」 僕がダメ押しをしても、瑛翔はウーと唸ってまだ我慢する。 やれやれ、頑固だな。 僕は瑛翔の腰を持ってくるりとテーブルに向かせた。 「ほら、ここでいいからいただこう。お腹空いてるでしょ?」 もう膝の上で食べさせることは無かったけど、今日は特別にいいよ。暗にそう言ってあげると、そのままちょこんと僕の膝の上に座ったままやっとテーブルの上を見た。その目が輝いている。 ごちそうだもんね。 キラキラした目を僕に向けるので、いいよと頷いてあげる。すると瑛翔は僕が何も言わなくても、アダムにお礼を言った。 「ありがとうございます。いただきます」 よく出来ましたと言うように頭を撫でてあげると、僕は取り皿にピザを取ってあげた。それにもう一度『いただきます』と言って食べ始める。 そんな瑛翔からアダムに視線を移すと、アダムは柔らかい笑みを浮かべながら瑛翔を見ていた。その優しい眼差しに、僕の鼓動がほんの少し早くなった。 「すみません。お騒がせして・・・」 「いやいや。こんな小さいのにちゃんと君を守ろうとしているのが微笑ましい。よっぽど君が好きなんだね」 別段怒る風もなく、アダムも料理をとりわけ始めた。自分の分を取ったのかと思ったら、その皿を僕の前に置く。 「すみません、気が付かなくて」 僕は慌てて謝った。こういうのは僕がしなければならなかったのに。 「いいんだよ。今はプライベートだ。私がホストなんだから当然のことをしただけだよ」 たしかに今は仕事じゃないけど・・・。 「気にしないで。さあ、食べよう」 自分の分も取り分けたアダムに促され、僕もいただきますと言って食べ始めた。 「食べながらでいいから。改めて、僕はアダム・ジョンソンだ。これから君にお世話になることになるが、よろしくお願いする」 「僕はユイト・サワタリです。まだ二年目なのでご迷惑をかけるかもしれませんが、ご期待に添えるように頑張りますので、よろしくお願いします」 そんなやり取りを見ていた瑛翔も、口の中を空にしてから自己紹介をした。 「僕はエイト・サワタリです。よろしくお願いします」 まだ警戒しているのか、笑顔はなかったけどちゃんと挨拶できた。 「僕はアダムだよ、エイト。これからユイトと仕事をするんだ。僕はエイトとも仲良くなりたいんだけど、アダムって呼んでくれるかな?」
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