背徳のオメガ 2

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『なら私の部屋に来てもらえるかな?小さい子がいると店ではゆっくりできないだろう。私の部屋でルームサービスでもどうだろう?私は昼食がまだでね。付き合ってくれるとありがたい』 確かに小さい子を抱えてホテルのお店は敷居が高い。いくら大人しい子でもやっぱり大人よりは音を出してしまうから。だけど・・・。 いくらボスになる人だからといって、初対面で部屋に行くのはどうだろう。それに恐らくアダムはアルファだ。 最近ではプライバシーの観点から年齢や第二性を公にしないのが一般的で、今回僕がもらったアダムに関する書類も名前と元の所属は書いてあっても年齢と第二性の記載はなかった。でも社長になるくらいの人だ、アルファである可能性は高い。 『もしかして警戒してるかい?大丈夫だよ。小さい子の前で襲ったりはしないからね』 僕が黙ってしまったためか、アダムは冗談めかしてそういうと笑った。 確かに、今日は瑛翔もいるし、これから彼にも名誉あることが待っているのだからそんな馬鹿な真似はしないだろう。 「分かりました。私達もお昼はまだです。それでは伺いますのでしばらくお待ちください」 部屋番号を聞き、僕は電話を切った。 「瑛翔、これから僕の会社の人と会うんだけど、僕がその人とお話してる間、大人しくできるかな?」 楽しそうにベッドでバタバタしていた瑛翔は僕がそういうとぱっと降りて、にこにこ笑った。 瑛翔はよく笑う。 「うん。えいとできるよ。ゆいくんの会社の人?一緒に日本に行くの?」 「一緒には行かないと思うけど、日本で僕と一緒に働く人だよ。ちゃんとご挨拶してね」 「はーい」 にこにこ笑う僕の瑛翔。 僕の天使。 「じゃあ行こうか」 僕は瑛翔と手を繋いでアダムの部屋に向かった。 アダムの部屋は僕たちの部屋よりも上だったので上向きのエレベーターに乗る。その間、ホテルが珍しい瑛翔はキョロキョロしているが、僕の言いつけを守って大人しくしていた。 大きくなったな。 ついこの間までは赤ちゃんだったのに、今では屈まなくてもちゃんと手を繋げるし、手も普通に握れる。もっと小さい時は手が小さすぎて握れず、僕の親指を握らせていた。それがいつの間にかにちゃんと手を繋いでいる。 子供の成長って早いな。 そんなことをしみじみ思っていると、アダムの部屋に着いた。僕は瑛翔を抱っこしてインターフォンを押させてあげる。 子供ってこういうの押したがるんだよね。
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