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結愛との恋の実りと別れ
それからというもの、僕と結愛は、僕の持ち家で同棲をし始めた。
しばらく一緒に生活して、とても幸せで、こんな日がずっと続いて欲しかった。
だけど、あの木の夢のカウントダウンは待ってはくれない。着々と迫っていた。
僕は結愛に、自分に今起こっている事を全て手紙に書いた。
僕の遺言書と婚姻届も一緒に書いて、そっと引き出しにしまった。
そして、結愛の前から姿を消し、あの木の元へと向かった。
***
そして、数年が経った、ある日、僕の目の前に、結愛の姿と小さな男の子の姿があった。
そして、帰り際、彼女は言った。
「人志さん、貴方が私を忘れて何も分からなくなってしまっても、私は貴方を絶対に忘れないわ。ありがとう。いつまでも愛しているわ、、」
もう既に僕は木になっている筈、だけど、なんだ、この涙が出る時の熱い水滴が溢れるような感覚は、、
君と出会えて幸せだったよ、、
ありがとう。僕も愛しているよ、結愛、、
その木からは沢山の樹液が涙の様に流れ出ていた、、
そして僕は初めて会ったあの日の君を思い出す、、
眩しいくらいにキラキラしている君を、、
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