木の魔法

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木の魔法

そんな、ある日突然、僕のスマホに1通のメールが届く、、 最初はメールだった。 差出人は、tree magic... そんなアドレスだった。 「なんだこれは、、」 君の願いを叶えよう。 君に若返りを与える事が出来る。 あの子との幸せの時が手に入るだろう。 「なんだこれは。誰なんだ。僕は彼女の事は誰にも言ってないのに、何だか気持ちが悪い。誰かのイタズラかな。」 僕はいつしか、そんなメールの事は忘れていた。 それから1週間が過ぎた頃、僕の夢に大きな不思議な型をした木が出てくるようになった。 その木は毎晩、夢に出てきては、僕に願いを叶えると言った。 だけど、僕にその木は言った。 君に若返りを与えるかわりに代償として君の寿命をもらうと、、 君の年齢を1歳若返りさせる度に、君の年齢は1歳衰えていく、、 そして、最後には肉体さえも、その木の一部となり吸収されると、、 木として生き続ける事となる、、 そんな風になってしまったら僕という人間は始めから居なかった事になる。 そんなの嫌だ。 そんな事があってたまるか。 でも、今の僕には彼女しかいない。 彼女が全てなんだ。 僕は沢山悩んだ。 だけど、彼女を諦めるなんて嫌だ。 僕の人生は始めから良い事なんて全く無くて暗い人生だった。 だったら最後にそんな人生、吹き飛ばしてしまうくらい明るく過ごしたい。 それから、木として生命の息吹を感じながら生き続けるのも良いのではないか。 僕が彼女からの愛を得られるのなら、、 そんな風に思う様になった。 彼女に釣り合うくらい若返って彼女に振り向いて貰うんだ。 毎晩、続いていた、その夢は日に日に変わって行った。 僕をその木の場所へ導いているようだった。 少し疑いはあったが、僕は夢で見たその木の場所へ行ってみる事にした。 少し険しい森の道を進み、少し開けた場所へと辿り着いた。 僕は本当にビックリした。 今まさに目の前には、夢に見た全く同じその木があるじゃないか。 とても驚いたが僕は近づき、その木に触れた。 これといって反応はなく、ただの木に見えた。 なんだよ。普通の木じゃないか。 僕は喋りかけてみた。 おーい。夢に出て来た木、今日は喋らないのか。 すると、木は喋り始めた。
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