契約

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契約

やっと来たな。契約をする気になったんだな。 そうだ。僕は若返って彼女にアプローチして、彼女からの愛を手に入れたい。そんな事、本当に可能なのか? お前が俺と契約したら叶えてやる。 だけど、その変わりに、お前の寿命、魂、肉体を貰うぞ。いいか? 僕は迷う事なく頷いた。 うん。だけど1つ頼みがある。衰えるのは1番最後にしてくれないか?僕の顔や身体が若くなったとしても、精神が衰えて老人の様な気持ちで彼女と接するのは嫌なんだ。 全て終えて、ここに戻って来た時、僕の全てを差し出す事にしてもらいたい。頼む。 いいだろう。その条件で呑もう。 じゃあ、契約に移るとする。 俺にお前の手をあてろ。 あてるって、こうか? 僕はそのゴツゴツとした木に手の平を当てた。 すると、その木の根の方からミシミシと音を立て動き始めた。木の表面も生きているように波打ち見たことも無い様な動きをしたと思ったら、僕の手は手首まで木の中に吸い込まれて、まるで、その木と一体化してしまったかのように固まった。 焦って手を引いたが少しも動かない。 すると、、 動くな。大事な契約はこれからなんだぞ。 僕は抵抗するのを止めて身を委ねた。 すると、、 痛っ! 手の平から痛みを感じた。その後、血が抜けていく様に感じて力が抜け、僕は手が木に埋もれた状態でしゃがみ混んだ。 程なくして、気がつくと手は木から抜けていて、手の平を見ると傷1つ無かった。 契約は終わったのか? 全く反応は無い。 おい。木、終わったのか? 全く反応は無い。僕はおかしくなったのか? 夢だったのか?いや、ここに居るって事は現実だろう。 混乱しながらも首を傾げながら家へと戻った。 本当に契約は交わされたのか半信半疑だったが、家に帰って鏡を見ると驚いた。少し若返っている様に感じたのだ。口元のシワと目元のシワが薄くなり肌も潤いがある感じに見えた。 凄いぞ。これは凄い。早速、明日彼女に会いに行こう。 僕は嬉しくてたまらなかった。彼女にこれから、どんな風にアプローチするか考える度に僕の顔には笑顔が溢れた。 明日、彼女に会いに行く時、花を買って行こう。彼女は喜んでくれるだろうか?
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