2人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
☆ ☆ ☆
昨年の春、わたしのお父さんは、別れのことばもなく突然天国へ行ってしまった。
そして、それまで専業主婦だったお母さんはお仕事をはじめ、お母さんがお仕事から帰ってくるまで、学校から帰ったわたしはひとりぼっちでお留守番するようになった。
だけどね、本当はひとりぼっちなんかじゃなかったんだ。
庭の木にあそびに来る小鳥たちや、サンルーフの上でのんびりひなたぼっこをするネコ。
みんなわたしの大切なお友だちだったから、全然さびしくなんかなかった。
それに、お父さんとの思い出がたくさんつまったあの家から、どうしても離れたくなかったから。
だからわたしは、
「ひとりでも大丈夫だよ!」
って何度もお母さんに言ったんだけど、お母さんはわたしが本当はさびしいのをがまんしているんだと思って、おじいちゃん家に引っ越すことを決めてしまったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!