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私はクルリと向きを変えて走り出す。
チラリと後ろを見ると、坂木さんが真顔で追いかけてくる。
お、おいつかれるっ!
私は全速力で走る。またチラリと後ろを見ると、すぐ近くに坂木さんの顔があった。
ぎゃーーーーっ!足早いーーーーっ!
前に向き直ると、壁が目の前に迫っていた。激突する一歩手前で腕を掴まれ、引き戻される。
「あっぶね。」
坂木さんが言い、二人で膝に手をついて、しばらくゼーハー、ゼーハーと肩で息をする。
「に、にげられるとでも・・・思ったか。」
苦しそうな息の合間に、坂木さんがかっこつける。
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