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坂木さんは、同い年なのに年下感満載の同僚。 人懐っこく、朗らかで、適当。 恐らく特技は、軽口を叩くこと。 まあまあ整った顔立ちと、人当たりの良さで、なんやかんや人気者な彼は、子犬系、などと呼ばれている。 子犬の割には、下ネタ多いよね。 と私は冷ややかに坂木さんを見る。 すると、坂木さんがジッと私の手を見ていた。 「どうかしました?」 「うん。指輪。」 私の右手の薬指につけられた指輪を見つめて言う。 「指輪が?どうかしました?」 「はずしてほしい。」 私はため息をついて、坂木さんを見る。 適当な坂木さんは、時々、適当過ぎて意味不明なことを言う。
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