10.

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「え、えーっと。誰か、こっちの路線の人、いませんでしったけ?」 「あー、安田さんと恩地さんだけだよ。寂しくても一人で帰りなー。」 先輩に笑いながら言われて、私は慌てだす。 「そ、そうなんだ。じゃ、買い物して帰ろうかな。先輩はどの路線ですか?」 「なーにいってんの。付き合わないわよ。真っ直ぐ帰んなさい。」 坂木さんが、ジリッと私に近づく。 どうしよう、どうしよう。 オロオロしている間に、みんなが 「お疲れ様でしたー。」 と言って散り散りに歩いていく。 坂木さんが、ツカツカツカっと私に向かって歩いてくる。 あわわわわっ!
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