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だって、それだけが今の私の生き甲斐なのだから…
今日は一体どんな話を聞かせてくれるのだろう。
そんなワクワクを胸にもう一度コーヒーを口に運ぶ。
「七海さんお待たせしました」
六倉さんがそう言って、奥の部屋から戻ってきた。
右手には何やら古びた紙をラミネート加工した物を持っている。
思わず、視線をそれ一点に向けてしまう。
すると、私の視線に気がついた六倉さんがクスクスと笑い始めた。
「やはり気になりますか?フフフ…早く見せてと言わんばかりの顔ですね」
六倉さんに言われて、ハッとなり思わず顔を俯かせる。
馬鹿っ!私の馬鹿…!
ついつい「エヴァ」のことになると周りが見えなくなってしまう。
「さて、今日はこれを七海さんに見せたくて持って来ました」
六倉さんは私の向かいの席に腰掛けて、右手に持っていたラミネート加工された紙をテーブルの上にそっと置いた。
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