74人が本棚に入れています
本棚に追加
「こんにちは六倉さん…すみません今日も来ちゃいました」
見上げるように目の前にいる人物に謝る。
そう、私は昨日もこの骨董品店を訪れていたのだ。
「構いませんよ。七海さんなら毎日、来て頂いても大歓迎です」
背が高くて細身の六倉さんは笑みを浮かべながら、私に優しい言葉を掛けてくれる。
六倉さんは私よりも歳上で、きっと私の親の方が年齢が近いだろう。
というのはあくまで見た目の話であって、実際に六倉さんに年齢を確認したことはない。
「良かったら、中でコーヒーでもいかがですか?」
六倉さんが店の入り口を手で示しながら私を誘った。
「い、いえ、ただ絵を見に来ただけなので…」
首を横に振って、六倉さんの誘いを断った。
最初のコメントを投稿しよう!