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とはいえ私の妄想は店頭に飾られている絵から創り出されたものであるから、ここに飾られている物がイメージ通りでも不思議ではない。
ただ、それでも私はそれに不思議な縁を何かしら感じていたかったのだ。
そうすることで少しでも現実から自分を遠ざけられるから…
骨董品が飾られている店内を進むと、奥に赤いカーテンが見えてくる。
六倉さんがそのカーテンを開けると奥に別の部屋が現れた。
案内されるように奥の部屋へと進む。
すると、そこはまるで私にかけられていた魔法が解けてしまったように至って普通の空間が現れる。
普通といってもあくまで骨董品店の雰囲気を崩してはいないし、アンティーク感があるテーブルや椅子はきちんとある。
ただ、先程のように私の中にある妄想の世界観を崩さない雰囲気では最早なくなっていた。
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