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嬉しさのあまりついつい声がでかくなってしまう。
それに気づいてすぐに口を手で押さえた。
するとブルーが突然笑い出す。
「不公平か…実にナナミらしいな」
ブルーが私を見下ろしながら、そう言った。
…ナナミらしい。
そのフレーズに自ずと顔が赤らむ。
「じゃあ、ゆっくりと歩きながらで構わないから、話して頂こうかな?」
ブルーが優しい表情を浮かべた。
「うん、分かりました。話してあげましょう」
と調子良く答えて、再びブルーの横へと並んだ。
それから、私はたくさんの話をブルーに語った。
始めに私のことを語り、徐々に私の世界のことを話していく。
私が昔から人と馴染めずに友達が少なかったこと。
でも、こんな私にもれいちゃんという友達がいたこと。
それに五十嵐くんのことも話した。
誰にでも優しい五十嵐はこんな私にも優しくて、私に好意がある訳じゃないことなんて知っていたけど、どうしても好意を抱いてしまっていたこと。
「…今、思うと私はやっぱり五十嵐くんのことが好きだったんだと思う」
と自分でもびっくりするようなことが口から出てくる。
なんともお喋りな私がここにはいた。
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