17.ノアニール再び

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「…なるほど、それでこの世界に来た瞬間、イシスという大臣側のルーラーに襲われたんだな」 ブルーが以前に私が話していたことを思い出して言う。 メキラの町の広場でノアニールさんに襲われたあと、ブルーにある程度は話していた。 私がファーシルの王の娘のナリア姫だということもその時、伝えている。 …だが、実際のところ私がナリア姫だということは私自身が未だに一番信じられない。 私の話にブルーは常に真剣かつゆっくりと聞いてくれた。 なので、私もブルーと散歩を楽しみながら、ゆっくりと自分のことを話せたのだ。 時にはどこか座れる場所に腰掛けたり、飲み物を買ってもらって飲んだりしながら本当にゆっくりと… 私のここまでの生い立ちを話したあとは私の世界のことを語る。 エヴァのように便利なルウのような不思議な力はない。 でも、私たちの生活には電気や水やガスが常に当たり前に使用できるように完備されている。 勿論、エヴァにも電気や水、ガスは存在しているが、電気が家に通っている訳でもなく、向こうの世界のような大規模な水道も存在しないし、ガス菅もない。 「…聞いているだけで、なんとも不思議な世界だな?ルウの力なしで光や火や水がいつでも出せるとは…」
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