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ブルーに私の住んでいた世界の話をするうちにブルーを向こうの世界に連れて行きたい願望に駆られた。
きっと、色々と楽しいんだろうな…
とついつい自分の今置かれている状況を忘れてしまっている私がいた。
私はファーシル王国の大臣に命を狙われている身だ。
いつ敵のルーラーが襲ってくるかなんて分からない。
ブルーとアクエリアスがいるからどこか安心してしまって、気が緩んでしまうのだろうか…?
「ん、どうかしたかナナミ?」
ブルーが私の表情に気づいて問いかけた。
私たちは広場を抜けて、小さな川に架かる橋の欄干に並んで肘をついて話している。
「ううん、大丈夫。ただ、なんかこうして楽しく話していると自分が置かれている立場をついつい忘れちゃうなって思って…」
私は視線を落として川の流れに目をやる。
「まあ、たまには息抜きも必要だ。ずっと、気を張っていた状況が続いていたんだからな」
と隣のブルーは相変わらず優しい。
やっぱり幼馴染のジーナさんもブルーのこういう優しいところが好きだったのだろうか…?
ブルーの横顔を見ながら、そんなことを考えていた。
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