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すると急にお腹が鳴る音がした。
私のお腹の音だ…
「…どうやら、すっかり話し込んでしまっていたようだな。何か食べに行こうか?」
とブルーが欄干から離れ、私の方を見てそう促した。
「うん」
そう返事をして、私は心を弾ませながらブルーの横へ並んだ。
◯
ブルーに私の世界の話をしたあとに、町の飲食店で食事をした。
以前にブルーがこのルベリアに長く滞在していた時、御用達にしていたお店でその味はとても美味しくて、ほっぺが落ちそうだった。
今、私たちが泊まっている宿もその長く滞在していた時に使っていた宿だという。
どうりであの宿の店員さんと親密だった訳だ。
ブルーと二人で昼食を取ったあとは、少しぶらぶらと町を散歩した。
その時、アーサーさんの屋敷の方を遠目から伺ったが、色々と立て込んでいるようで、とてもアーサーさんと対面出来そうにはなかった…
屋敷の人間が全員殺されていたんだ…しばらくはアーサーさんに平穏はないだろう。
そう思うと全てを失ったアーサーさんの心情がとても心配になった。
「この町の人間も馬鹿じゃない。きっと、町長を支えていくはずだ。クロフォードの時のようなことにはならないさ」
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