75人が本棚に入れています
本棚に追加
/1053ページ
「クロフォードの決めたことを尊重してやれナナミ」
ブルーが昨日の朝、私に言った言葉を思い出す。
…もう考えるのはよそう。
クロフォードを見てそう思った。
それから私とブルーはテッドさんの奥さんの手料理をご馳走になった。
テッドさんの娘も手伝ってくれたらしい。
クロフォードの言う通り、奥さんの料理は絶品だった。
昨日の昼に食べたブルー御用達の店の料理も美味しかったが、これはまた違う美味しさがある。
何より久しぶりの家庭の味に思わずウルっと来てしまう。
お母さんの手料理を思い出してしまったからだ。
「どう、お口に合うかしら?おかわりはいっぱいあるから遠慮なく言ってね」
テッドさんの奥さんの優しい言葉に甘えて、何度かおかわりを頂いた。
最近、美味しいものばかり食べているから精神が腑抜けてしまいそうで少し怖くなる。
手料理をご馳走になり、話に花を咲かせたあと、クロフォードに明日の朝に迎えに来ると言って、私たちはテッドさんの家をあとにした。
昼を少し過ぎた頃で、このぽかぽか陽気が散歩を誘っているようだ。
「少し旅に必要な物でも見て行くか?」
ブルーに誘われて、私は一緒に繁華街の方へと向かった。
最初のコメントを投稿しよう!