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「…ごめん」
ブルーの顔を見上げて謝る。
「何で謝る?ナナミが謝ることじゃないだろ?」
ブルーの言葉にぶんぶんと首を横に振った。
「こんな質問する自体間違っているって分かってた。ブルーが困るってことも…なのに私はブルーに甘えた」
そうだ。
ブルーは私のためにファーシル城まで案内してくれてさらに守ってくれている。
だから、無事にファーシル城に着くのが私にとってもブルーにとっても良いことなんだ。
…なのに、私は心のどこかでブルーとの旅がずっと続けばいいと思っている。
…最低だ私。
「…全くそういう困ったところはジーナにそっくりだな」
ブルーため息を漏らした。
でも、その表情はどこか笑っている。
「…えっ?」
私の反応にブルーが私の髪の毛をくしゃくしゃにする。
「…きゃっ!?何するの?」
突然のブルーの行動に驚いた。
「今は難しく考えるな。俺も正直、この旅でナナミやアクエリアスに愛着が湧いてないといえば嘘になる。だから、この旅の終わりはまだ考えたくはない」
「ブルー…」
その言葉に思わず目から涙が溢れた。
「だから、これからもよろしく頼む」
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