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『…気持ち悪いぞナナミ』
まだベッドの上に置いてある剣がそんなことを言ったので、荷物が入ったボンサックをその上に置いてやる。
『こらっ!何をしやがる!俺様は丁重に扱え!最近やたらと俺様の扱いが雑だぞナナミ!』
ボンサックの下でアクエリアスがジタバタと暴れる。
「そう?気のせいじゃない?」
と無愛想に答えた。
すると、突然部屋のドアをノックする音がする。
「起きているかナナミ?支度が出来たなら下で朝食を取って、クロフォードを迎えに行くぞ」
ブルーだ。
「うん、出来たよ!今、行く!」
と元気よく返事をした私はアクエリアスの上のボンサックを避けて、アクエリアスにベルトを装着する。
そして、アクエリアスを背負う。
再び、鏡で自分の姿を見る。
旅人の格好と背中に剣。
まるで私の大好きなファンタジーものに出てくるキャラクターのようだ。
ブルーを待たせているので、すぐにボンサックを持って部屋のドアノブに手を掛ける。
そして、忘れ物がないか振り返り部屋を見渡した。
その時、初めてこの部屋を訪れた時のことを思い出す。
そんなに経っていないはずなのに、もう随分と昔のことに感じる。
それだけ、このルベリアでは色々なことがあったと言うことだろう。
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