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ドアノブを捻って、ドアを引く。
するとそこにはブルーの姿があった。
「おはようブルー」
少し見上げて挨拶をする。
「おはようナナミ。よく眠れたか?」
ブルーが愛想の良い表情で私に訊ねた。
「うん、よく眠れたよ。ここのベッドはとても寝心地がいいから。ブルーがこの宿に泊まらせてくれたおかげ」
そう答えながら、野宿をしていた時の土や草の匂いを思い出した。
また、あの生活に戻るのだ。
でも、別に苦ではなかった。
ここのベッドに寝るのもいいが、火を囲みながらブルーの側で安心して眠りにつくのも悪くない。
それに今夜からクロフォードも一緒だ。
そう思うと今から夜が楽しみでならない。
「そうか、それは良かった。さあ、朝食を食べに行くぞ。しばらくはまともな食事は出来ないからしっかり味わっておけよ」
ブルーがそう言って、先に廊下を歩き始めた。
「あら、私はブルーの手作りサンドイッチも好きよ。だから、いつもまともな食事にありつけているわ」
すぐにブルーのあとをついて歩いていく。
「…そうか?なら、まあいいが…」
と少し照れるブルーの背中を見て、思わず笑みが溢れた。
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