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すると、その途中で小石に躓いてこけそうになる。
「クロフォード!」
ブルーを追い抜いて慌ててクロフォードに駆け寄った。
「もうっ、危ないじゃない!無闇に走らなくていいよ」
バランスを崩して片膝をついているクロフォードにしゃがんで目線を合わせて怒る。
「ごめん、嬉しくてつい…」
クロフォードが左手で頭を掻きながら答えた。
「おいおい、旅立つ前からそれじゃあ先が思いやられるな」
後ろからブルーが笑いながら冷やかした。
「あなた方と旅をするのがよっぽど嬉しいですね。こんなはしゃぐクロフォードを見たことないですよ」
テッドさんが家族と一緒に歩み寄りながら、私とブルーにそう話しかけた。
クロフォードが立ち上がるとテッドさんが荷物をクロフォードに渡す。
「あまり多いと大変だろうから最低限にしてあります。ですので、旅の途中に立ち寄るところで必要なものは調達してください」
テッドさんがクロフォードの保護者となる私とブルーに向かって言った。
それから紙袋を私に手渡さそうと差し出す。
「これは?」
私は首を傾げながら訊ねる。
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