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翌朝。
いつも通りの時間に起床し、スマホを見ると佐和からメッセージが届いていた。
何気なくメッセージを開いて私はギョッとする。
<地域情報紙の記者が、奈美の事取材したいって!>
(え~、どうしてそうなった。絶対断る!)
<無理無理!恥ずかしいもん!>
<名前も顔も出さないって(*^_^*)ただ、どんな風に見つけられるかを聞きたいだけらしいよ★>
(う~ん、それなら・・・。いやいや、SNSつながりでしょ?怪しい!危ない人だったら困る!)
<それって絶対、大丈夫な人かな?>
<やっぱ、そうやって警戒する人多いみたいで『取材場所も人が多いファミレスとかにするので安心して』って言ってたよ!>
(人が多いところなら安全なのかな・・・。いざとなったら逃げればいいかな?でも、マッチョで怖い人だったら・・・。)
私がどうしよう、と返信を迷っていると再び佐和からメッセージが届く。
<謝礼もあるって!商品券だけどww>
「商品券!微妙にショボい!」
私は思わず笑ってしまった。
まぁ、いざとなったら頑張って逃げよう!
<分かった!w行きます!>
<りょ!じゃぁ後は学校でね~ヾ(*´∀`*)ノ>
目立つのも、自己主張するのも苦手な私。
そんな私に「取材」だって。
これがきっかけで有名人の仲間入り!?
そんな事を思って鏡の前に立ってポーズをとってみる。
寝起き頭のパジャマ姿の自分が写り、現実を突きつけられる。
「・・・いや、無理だな。無理無理。」
私はそう思いつつも、初めて自分にスポットライトが向けられたようでニヤニヤが止まらなかった。
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