Rain season Is over

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Rain season Is over

「待って、ちょっと待って、ねえ、なるなる、この展開は早すぎない?」  家に帰りついて、鍵を閉めた瞬間に、壁に押し付けて唇を奪った。  慌てたように背中に縋りついて、もごもごと文句を言っているようだったけど、口の中に舌を差し込んで舐めまわした。  息が切れて膝が抜けたらしいところで、引きずるようにベッドに連れ込んだ。  そこで出たのが、あわてたような静止。 「いや、思いを確かめ合って部屋にふたりきりでベッドがあって、今更なお預けだろ」 「だって、ほら、あの、なんにも話してない」 「ボディートークっていうものもあるだろうが」 「だって、いや、その待って……あの、なるなる? あの、オレね」  あわあわといろいろ言い募っているのを聞き流して、服をはいでいく。  礼服だから、後のことを考えて、ここは一気にマッパの方がいいだろう。  ちゅ、と鎖骨の上に唇を落としたら、びくっとして動きが止まった。 「俺は、ずっとお前を待った。清廉潔白じゃあないけど、それなりにずっとお預けだったんだ。これ以上待ちたくない」 「あ、あのでも、な……あの、オレ……」 「お前が童貞処女だってことくらい、知ってる。つか、あんだけずっと葵生だけ追っかけてて、違うって言われたら、その方がショックだ」 「だから、何でお前はっ! そうなんだけどっ」 「安心しろ。待ちたくはないけど、お前に負担かけるほどがっついてはないから」 「いやいやいやいや、今すでに、オレ、ビビってるから!」 「別にお前に何かしろとか言わないから。感じてろ」 「それが、んひゃっ」  自分の服も脱ぎ去って、熱く起き上がったものを太ももにこすりつける。  かわいい声をあげて、露木が固まった。 「そう、そやっていい声あげてろ……」  ぐいぐいとこすりつけながら、唇を食んで、指で耳たぶを挟み込む。  露木が俺の行動ひとつひとつに、戸惑いながら反応している。  耳の溝を舌でなぞる。  ちゅ、と音をたてて耳骨をかんだら、腰が跳ねた。 「な、なるなる……」 「好きだよ、露木」 「ん……ぁ、な、るなる……」  あんまりハードなことはできないだろう。  アラサーで童貞処女っていう、初な男だ。  抱え込んだ初恋こじらせて、やっと、俺の方を向いた、かわいいやつ。  怖がらせないように、中心をやわやわと撫でながら、あちこちに口づけていく。  これは快感だよと、教え込む。  鎖骨を甘噛みして、胸骨に吸い付いた。  乳首は舐めて押し込んで、吸い出して、くりくりと弄り回した。 「あ、や……ん、そんなとこ……ぁん、なんで? なんで……ふぁ、あ、ん……」  達しないように、感じるように。  へその中に舌を差し込み、太ももの付け根に吸い付いて印をつけた。 「なるなる……なる……あ、ああ、ん、や、も、もっと、触って……ちゃんと、触って……」 「触ってんじゃん。ほら、こんな濡れて、お前かわいいな」 「やぁ……だって、もっと……もっと…」 「ん? イきたい?」 「ん。ん。……ひゃぅ…ん、あ……」  敏感な体。  大事にしたいのに、めちゃくちゃにしたくなる。  いい声で啼きながら、俺にしがみつくから、うつぶせにして抑え込んだ。 「露木……俺のこと、好き?」 「ん……好き……」 「じゃあ、俺のものにしていい?」 「なるなるが、オレのになってくれんなら、いい、よ……」  同時に弄るのは、感じすぎて苦手だと泣くやつもいるけど、露木は初心者だから、後ろだけでは感じられないだろう。  ここも快楽を拾えると覚え込むまでは、前と同時に触っていくのが、いいらしい。  ぐじゅぐじゅと泣いて、いい声を上げる露木の後ろをほぐす。  前を触って、先走りをこぼさせる。 「ああ……なる…な……ン、あ、や、好き……好き、あ、もう、もう……や」 「かわいいな……好きだよ、露木……」  弄り回して、とろとろにして。  訳が分からないくらいになったところで、抱きしめた。  ぎゅうっと。  安心したように俺にすり寄ってきたところで、中に入り込む。  狭くてアツくて、誰よりも近くになれるところ。 「あっああああ……」 「つ、ゆき!」  好きだよ。  他の男を想っているお前も、好きだった。  その気持ちがこっちを向いてくれた。  もう、離せるわけないだろ? 「ああっ」 「好きだ、露木」 「オレも……オレも、す、き…っんぁっ」  片思いは、もう終わり。  これからはふたりで。 <END>
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