第22話 小屋……?

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「あった! これがその……小屋??」  優衣は()()を目の前にしてやんわりと小首を傾げた。 「うーん……小屋には見えないな」  ロフニスは()()を見上げながら呟いた。   「だよねぇ……」  湧き出る"しっくりこない感"に包まれた二人の目の前には、円筒形の建造物がそびえ立っていた。  綺麗な白い色の石造りの壁には、等間隔で円い窓がはめ込まれている。  その窓の配分からして、恐らく3階か4階建て。  その時点で小屋という言葉のイメージとはズレがあり、円筒形の形状といい、無機質な雰囲気といい、その建造物を現す最適な言葉は…… 「小屋というより塔って感じ?」  優衣が呟いた。  少し前に観たばかりの、ファンタジーなアニメ映画に出てきた"何とかの塔"にとても似ているように思えたからだ。  まあ、その塔は目の前のものより何倍も大きいものだったが。 「あっ、確かにそれのがしっくりくるかも」  ロフニスは、うんうんと頷いた。 「ねえ、あれ扉かな?」 「そうかも」  二人は塔の1階部分にはめ込まれた木の扉のようなものへと近づいてみた。  間近で見ると、木の板にはノブのようなものが付いており、形状的にも恐らく扉で間違いなさそうだった。  そして、木製扉には錠前付きの鉄の鎖が巻き付いていた。 「……これだ!」  ロフニスは、ポケットから例の鍵を取り出してみせた。 「そっか。その鍵で開けることができたら……ロフニス、早くやってやって!」 「おう! 言われるまでもないぜ!」  ロフニスは錠前に左手を添えて、右手に持った鍵を鍵穴へと差し込んだ。  古びた鍵はスーッと穴に吸い込まれていった。  そして、ロフニスが鍵を回転させると、カチッと気持ちの良い解錠音が鳴り響く。 「よっしゃ!」 「ビンゴ!!」  同時に歓声を上げた。 「入ってみようよ!」 「おう!」  ロフニスは鎖と南京錠を扉の横にどかしてから、そっとドアノブを握った。 「じゃあ、開けるよ……?」 「うん……」  小さな小屋ならともかく、見上げるほどの高さがある塔。  しかも、こんな森の中にポツンとそびえ立っているという謎。  今さらながら、二人の間に何とも言えない恐ろしげな空気が流る。  ロフニスの手がドアノブを押すと、扉の隙間から埃の匂い、そして得体の知れない何かの気配が漂い出てきた。
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