第32話 紫色の大地と炎の競演

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 草も木も何も無い紫色の地面をひたすら進み続けると、視界の端から端を貫く一本の筋が見えてきた。 「あれは……川か!」  直樹は叫びながら、また地図に目をやる。 『隠れみのオーブがあるのは、橋の手前周辺にある地下ダンジョンの中』  その文言を見て、ついに目的の場所まであと少しまできたことに安堵しつつ、 『橋は絶対に渡ってはだめ。そこから先は本当に危険』  という注意書きにギュッと心臓をキツく締められたような気分にさせられた。 「おい、みんな。ここからは本当に慎重に行くべき──」 「うわっ! なにあれ!!」  直樹の言葉を遮るように、優衣が思いきり腕を伸ばして右斜め前辺りを指差しながら叫んだ。 「な、なんだアレは!? 鳥……かな?」  悲しいかな、父直樹の目には星空の下を飛ぶ謎の物体は遠すぎるあまり豆粒ぐらいにしか見えず、空を飛んでるからそれだろぐらいの感覚でつぶやいた。。   「違うよパパ! アレは……なんだろうでっかい鳥みたいな……」  優衣の訂正に対し、なんだよやっぱり鳥じゃないかもう、と心の中でツッコむ直樹。 「違うよ優衣! アレは……ドラゴンだ! 超でっかいドラゴンだよ!」  ファンタジー好きの歩斗が確信に満ちた目で叫ぶ。  すると突然、目の前が眩しく輝きだした。
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