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「おお、ささみ……ううう。ありがとう、ありがとうなぁ……ううう」
号泣しそうな勢いで喜びを爆発させる父親の姿を見て、歩斗と優衣は呆れつつ、ささみ自身が選んだんなら仕方無いや、と大人のような対応ですんなり納得した。
「ニャギニャギ! さあ、早くそれぞれの部屋に入ってバトルするニャギ!」
パーティーの振り分けが終わったところで、しびれを切らしたユニギャットが直樹たちを急かした。
「よし、じゃあ行くぞ! 歩斗、優衣、頑張れよ!!」
「おう! パパもね!」
「うん! ささみ、パパをよろしくね!」
「にゃーん!!」
それぞれエールを送り合いながら、ダンジョンの奥へと進んで行くと、突き当たりの壁に3つの部屋の入口を発見。
「わたし左!」
「じゃあ真ん中!」
「よし、じゃあ俺たちは右の部屋だな!」
3人+1匹の冒険者たちは、ついにそれぞれのバトルフィールドへと足を踏み入れることとなった。
「おじゃましまーす!」
優衣は、まるで友達の家に来たかのように元気よく挨拶しながら、左の部屋へと入っていった。
そこは学校の教室を二つ合わせたぐらいの大きさで、四方の壁には優衣が通った入口以外なにも無い。
ガシャンッ!
背後から金属音がして優衣が振り向くと、のぞき窓もなにも付いていない鉄の扉がガッチリと閉まっている。
ユニギャットが言ってた通り、ここからは誰の助けも借りられない孤独な戦いが始まろうとしていた。
「誰かいますかー?」
一見するともぬけの殻のように思える部屋の中央に立ち、口に手を当てて叫ぶ優衣。
……と、次の瞬間。
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