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「あっ、これこれ! ありがとハリガネおじさん!!」
優衣はカギを手に取ると、わーいわーいと小躍りして喜んだ。
「お、おじさん……リハハハハ! そうだな。おじさんとしては、子供に何度も負けるわけにはいかぬ。鍛錬を続けて、今度会った時には絶対……イテ……イテテテテ……」
「ふふっ、ゆっくり休んで早く治しなよ! それじゃ、またね~!」
ザザザザザ……と、音を立てて鉄の扉が開き、優衣はスキップしながら部屋を後にした。
「ニャギニャギニャギ! まさかお前が勝つとは驚きニャギ」
プカプカと浮かんで待ち構えていたユニギャットが、右に左に揺れながら驚きを露わにする。
その真下に置かれた黒色の宝箱には、正面と両サイド、計3つの鍵穴が付いている。
「あっ、それ!」
優衣は手に持った鍵をまるで槍のように突き出しながら宝箱に駆け寄ると、正面の鍵穴に差し込んだ。
しかし、当然ながらそれだけではまだ箱は開かない。
「ニャギニャギ! あとの二人はどんな調子ニャギかな……」
ユニギャットは優衣が飛び出してきた部屋の隣、3つ並んでる内の真ん中の鉄の扉に視線を送りながら囁いた。
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