61人が本棚に入れています
本棚に追加
「ヒャー!? スライムが……飛んでる!?」
見知らぬ青年が驚くのも無理は無い。
ピンチになるとすぐに呼び寄せる歩斗のおかげ(せい?)で、スララスのレベルは12にまで上がっていて、レベルが10になった時に覚えた特殊スキルが〈ぶるぶるホバリング〉。
その原理はさっぱり分からない歩斗だったが、スララスが体をぶるぶる震わすようにしてホバリングする姿が異常に愛らしく、永遠に見ていられるほど大好きな能力だった。
しかし、だからといってそれだけで敵も攻撃をやめてくれると思ったら大間違い。
「ムラドォォ~オ!」
好戦的な鳥タイプの魔物はもう目と鼻の先、そのクチバシは的確に歩斗……ではなく、スララスのプルプルボディを捉えていた。
「スララス!!」
不安に満ちた表情で叫ぶ歩斗……は、すぐにニヤリと笑って見せた。
「なんてね! うちのスララスを舐めたら痛い目見るよっ!」
余裕のセリフをぶちかますの同時に、鳥魔物の攻撃がスララスにヒット!
……ボヨヨ~ン!
勢いよく飛び込んで来た魔物のクチバシがスララスの体に深く突き刺さったかと思いきや、プルプルボディがボヨンと膨らみ、その反動で逆に鳥の魔物が思いきりはじけ飛んだ。
最初のコメントを投稿しよう!