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相手は10体の魔物。
鳥の奴はスララスのボヨヨン攻撃ではじき返せたものの、まだ姿が消えてないのはつまり倒せたわけではないということ。
集団で行動してるってことは個々のレベルはそれほど高くないのだろうが、問題はその数。
常にタイマン勝負でやらしてくれるなら、スララスの攻撃と歩斗の回復連携プレイで勝てる見込みは十分あるが、下手にスララスの強さを見せてしまった以上、今度は一気に10体まとめて来る可能性は十二分になる。
となると、こっちもこっちで協力プレイしたいところだが……。
「ねえ、ケリッツは強いの?」
素朴な疑問をぶつける歩斗。
「あっ……いや、恥ずかしながらバトルに関しては素人中の素人で」
ケリッツはハハハと乾いた笑い声を上げながらポリポリと頭をかいた。
「えー、そんなんで良くこの島に来たね」
ある意味ピリッと毒の効いた素朴な疑問をぶつける歩斗。
「まあ、そう思われても仕方無いよねぇ……。でも、昼間であれば魔物が出る事はあまり無いって聞いてたんだよ? なのにまさか、あんなに沢山の魔物が居るなんて……しかも、バリバリ毒系のやつばっかり──」
「えっ? 毒? やっぱりあれ毒系なんだ……!」
どれもこれもまさに毒々しい紫色の魔物たち。
何となくそうかなと思っていた歩斗だったが、ハッキリと言われて少し怖じ気づいてしまう。
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