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第45話 丸見え底面そして一斉攻撃
歩斗とスララスを3方向から囲い込んだ時は余裕の表情だったが、まさか先に攻撃を仕掛けられるとは思っていなかったのか、ケリッツの指摘がズバリ当たっていたからか、右サイドを陣取っていた3体の魔物はいずれも明らかに焦っていた。
「スララス、がんがん行っちゃえ!」
「イムイムゥー!!」
レベル12の頼もしい仲間がまず攻撃を仕掛けたのは、毒ガニの魔物。
小さな体の半分以上を占める巨大なハサミは明らかに攻撃力が高そうな上、紫色の殻に覆われたその体自体、かなりの防御力を誇っていそうなのだが、そんなことはお構いなしにスララスは迷わず体当たり!
13の数字煙が出て、毒ガニの体はスーッと消えた。
硬貨の落ちる音がしたが回収は後回し。
「スララスナイス!」
「イムゥゥ!」
歩斗の声援に応えつつ、スララスは早くも次の標的に狙いを定めていた。
「グ……グモォラァ!!」
毒モグラの魔物はスララスと目が合い、武器と思しきスコップを高々と掲げた。
その隣では布みたいな魔物が体をヒラヒラとたなびかせている。
しかし、絶好調のスララスは一切怯むことなく、「イムイムゥー!」と叫びながら大ジャンプ。
限界点まで到達後、すぐさま毒モグラめがけて急降下!
「イムゥ~ウ!!」
「グモォ!!」
毒モグラは闇雲にスコップを振りまくって抵抗を試みるが、お構いなしに落下を続けるスララス。
「ちょっ、大丈夫……!?」
心配する歩斗は相棒がダメージを食らい次第、回復できるように弓矢を構えるが……。
ドンッ!
スララスの落下式体当たり攻撃が見事ヒット!
またしても一撃で撃破!
しかも自分はノーダメージのまま、残るは毒布の魔物のみ。
この調子なら、あっという間に瞬殺できる……かと思いきや。
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