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「うおぉ! 弓矢じゃん! 最高過ぎる!!」
いま歩斗が持っているものより落ち着いた茶色の弓と数本の矢。
強そうな気配がプンプン漂っている。
「そんじゃ、遠慮無くいただきまーす」
律儀に声をかけながら宝箱の中から弓矢を取りだす歩斗。
「それは……毒爆の矢じゃないか!」
突然、背後から声がして驚く歩斗だったが、誰だかすぐ気がついてギリギリ驚きの声を上げずに済んだ。
「えっ、ケリッツいつの間に??」
「うん、まあバトルは苦手だけどすばしっこさには定評があるもんで! って、そんなことより、凄いよその矢! 〈毒爆の矢〉って言って、特に毒属性の相手に対して絶大な──」
「やっちまえロウ!!」
2人が話してる最中、毒ツバメのかけ声と共に魔物軍団がレベルアップ隊に向けて攻撃を開始した。
「うわっ、やばっ!」
「リーダー、さっさと帰ろ!」
「帰りましょ!」
「も、もちろん! ってなわけでさらば!!」
そんなやり取りをしつつ、レベルアップ隊は演奏なしで脱兎の如く逃げ帰っていった。
3秒遅れてその場にたどり着いた魔物軍団の面々は、狙った相手がどこへ逃げたのかとキョロキョロ顔を動かしている。
「あっ、マズい……!」
焦る歩斗。
本当だったら魔物たちの視線がレベルアップ隊に集まってる内にスララスと合流する予定だったのだが、このままだと──。
「おい、アイツいつの間にロウ!?」
「やべ……」
よりによって毒ツバメと目が合ってしまった歩斗は、新たにゲットした弓矢を持ってスララスの元へと走り出した。
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