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「イムイムゥ!!」
敵に囲まれ恐怖に怯えていたスララスが、ようやく歩斗の動きに気付き、ピョンピョンと跳ねるようにして相棒の元へ駆け出す。
が、敵がそれをみすみす黙って見守るわけがない。
「アッチだロウ!」
毒ツバメのクチバシが歩斗へと向けられた。
「くそぉ~、こうなったら……」
歩斗はスララスと合流して作戦を練り直してる余裕など無いことを悟り、その場に立ち止まって体の向きを魔物軍団の方へと変えた。
両足を肩幅ぐらいに開き、膝を少し曲げて重心を下げる。
ゲットしたばかりの上質な弓を左手に持ち、同じく宝箱に入っていた矢をセット。
右手で矢を引き、弓を左右に動かして矢尻を目標へと向ける。
話が途切れてしまったが、この弓矢を「凄い!」と言っていたケリッツの言葉を信じ、歩斗が真っ先に狙うのはもちろん……。
「えいっ!」
歩斗の“右目スコープ”がターゲットの体を捉えた瞬間、右手をパッと広げ、もの凄い勢いで矢が放たれた。
その放物線の先に居るのは、リーダーの毒ツバメ!
「うわっ、しまったロウ!」
それまで活躍してたのはほとんどスララスだけだった事もあり、歩斗に対する油断があったのか。
焦った毒ツバメが翼を翻して避けようとするも時すでに遅し。
パンッ!
矢が体に触れた瞬間、強烈な破裂音が鳴り響き、ダメージを表す『34』の数字煙が立ち上った。
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