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第47話 気丈のポイズワロウ
「ちょっ、まだ攻撃しようとして来てるんだけど!? さ、さすがにもう一発ぐらいで倒せるよね??」
「は……はイムぅ」
そうであって欲しいと願いを込めてスララスに問いかける歩斗。
ハッキリ答えられるわけが無いものの、同じくそうであって欲しいとばかりに弱々しく答えるスララス。
それに比べて、毒魔物軍団のリーダー毒ツバメの瞳は一切ブレない。
その背後、歩斗が放った毒爆の矢に対する驚きがまだ抜けずに怯える5体の魔物たちを守るかのように、毒ツバメは力強く翼を羽ばたかせている。
「なんかちょっとやりづらいような……ってダメダメ! ボクは一刻も早く魔物10体倒すミッションをクリアして、母さんが閉じ込められてる地下の階段を出さないといけないんだから!」
「はイムぅ!」
改めて目的を思い出し、弓を持つ手に力を込める歩斗。
その意気込みを感じ取った相棒も、ピョンと小さくジャンプして応える。
そんな両者の間を生ぬるい風が吹き抜けたのをきっかけに、バトルが再開!
「これで終わりだロウ!!」
毒ツバメは翼を大きく広げて真上に飛び上がったかと思うと、スッと頭を下げて猛烈なスピードで下降し始めた。
その先に居るのはもちろん歩斗とスララス!
「こっちこそ、これで終わりだよ!!」
今日一番の集中を見せる歩斗の両手は、一切ブレることなく弓と矢を掴んでいた。
それを斜め上に向けて迷わず放った毒爆の矢は、相手めがけて一直線に飛んでいく。
パンッ!
鳴り響く破裂音は見事命中した証。
「よっしゃ!」
手応えバッチリの歩斗。
自信に満ちた目で、力なく落下する毒ツバメの様子を見つめていた……のだが。
ボワッ。
毒ツバメの体から飛び出した『32』の数字煙はまたしても白!
「えっ!?」
三度目の正直とはならず、動揺する歩斗。
「まだまだまだロウ!!」
地面に落ちる直前、毒ツバメの体がクルンと縦方向に回転し、そのクチバシを歩斗に向けると、低空飛行でどんどん加速していく。
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