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第5話 魔法の杖が示す答え
「あっ、ママ!」
母親の姿を見つけるなり、嬉しそうに声を上げながら駆けていく優衣。
ささみの先導により、3人はあっという間に自宅リビングへと戻ることができた。
「みんなお帰り~。どうだった?」
のんきに出迎える香織。
その様子を見て、よくそんな冷静でいられるな……と直樹は内心思ったが、母ってのはそれぐらい天然というか大らかなほうが家が上手く回っていくのかな、とも感じていた。
「ほら、みんなお腹すいてるでしょ? からあげ追加しといたから、食べましょ食べましょ!」
「わーい!」
「やったぜ!」
母親からの魅惑の言葉に誘われて、優衣と歩斗は我先にと押し合いへし合いしながらリビングに飛び込んだ。
「……いやいや、この異常事態でよくそこまで日常感醸し出せるなおい」
直樹は、今一度後ろを振り返って不思議な森を見渡した。
すると、足下にささみが近寄って来て「にゃーん」と優しく鳴いた。
「そうだよな、ささみ。お前だけはこの気持ち分かってくれるのか。って、ホントこれどうなってるんだよ……」
直樹はリビングを正面に見据えつつ、少し後ずさりながら改めて全体を確認してみた。
リビングの1面を占める2枚引きのサッシからは、LEDの均一な光が外へと放たれており、まるで夜の森にスクリーンを設置したかのように周りの風景から浮いて見えた。
そこから視線を上に移すと、リビングの真上には2階の子ども部屋があり、さらにその上には茶色い三角の屋根が見える。
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