第8話 この世界のシステムと赤い煙

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第8話 この世界のシステムと赤い煙

「いや、決してあのドラゴンが見境無しに襲ってくるというわけではないんですよ。ただ、敵と判断した場合や身元不明者に関しては容赦しないんです。そして、運の悪いことに、この森付近は人間の国と魔物の国の国境となってまして、色々な意味で非常に微妙なエリアなんですよねぇ……」  そう言いながら、ポブロトはご愁傷様といった表情を浮かべて首を振った。   「なんでドラゴンから身を隠さないといけないの?」  という直樹からの質問に対する答えがこれ。  ただ、その言葉を聞いたところで、直樹としては特に震え上がるといったことも無かった。  ドラゴンという響きに現実味を感じられない上、あんな空高く飛んでいれば、森の中に佇む自分の姿なんてゴマ粒ぐらいにしか見えないんじゃ無いか、という思いもあったからだ。  それより、国境がどうのこうのという言葉が気になり、左手に持っていた地図に目を落とす。  そこには、太い線で大きな三角形が描かれており、その中に山や森や湖や町などを現してると思しき簡易なイラストが配置されていた。 「えっと……この森っぽいのがココってこと?」  直樹は、三角形の真ん中辺りに描かれた木々のイラストを指差した。  どれどれ……と、ポブロトは直樹の横に並んで立ち、地図を覗き込む。 「あー、そうですそうです! で、この森からツツーっと西に進んだこの辺りが人間の国、東に進んだこの辺りが魔物の国って感じです。ざっくりですけど!」  ポブロトは、プニプニの指で地図をなぞりながら説明した。
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