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「あっ、色々ありがと~!」
すでに豆粒サイズになるほど遠くまで行ってしまったポブロトの背中に向けて、手を振る直樹。
「にゃにゃにゃにゃ~ん!!」
ずっと大人しく聞き入っていたささみも、親切な商人へ声を鳴らして見送った。
「いやぁ、ホント、良い人だったなぁ。色々教えてくれたし、アイテムもくれたし……って、これは後払いで買った商品か」
直樹は呟きながら、ポブロトから貰ったアイテム袋を肩から斜めに掛けた。
「っていうか、最後のアレ気になるな。地下ダンジョンってやつ。楽しめそうだとか……。まっ、それはさておき、色々分かって安心したら腹が減ってきたな」
「にゃーん」
「おお、ささみよお前もか。それじゃ、ひとまずウチに帰るとすっかね」
「にゃーん!」
息も腹の虫のタイムスケジュールもぴったりあった2人は、ここまで来た道を引き返すことにした。
「……って、どっちだっけ??」
「にゃ、にゃーん!」
方向感覚抜群な愛猫の先導で歩き始め、数メートル行ったその時。
「うわっ!」
直樹は足のつま先が何かに当たって転びそうになるのを、逆の足を踏ん張ることでなんとか堪えた。
「なんだなんだ!?」
足が引っかかった辺りに目をやる直樹。
パッと見、他の場所同様に土と落ち葉があるだけにしか見えなかったが……
「あっ! なんだこりゃ!?」
よく目を凝らして見ると、土のすぐ下に何かが隠れていることに気が付いた。
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