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「おお! やっぱりそうだったか!」
「にゃーん!」
「レベル2……ってどんなもんかな? 単純に数字の大きさで言ったら小さいけど、例えばそれが3段階だとしたら中級ってことだし──」
「にゃ、にゃーん!!」
「おっと、そうだなささみ。せっかく見つけたのに無視するなんて出来ないよな。それに、俺にはこの魔法の杖とポブロトから貰った大量のアイテムがあるしね。よし、じゃあ行くか!」
「にゃーん!」
ささみの同意も得られた所で、直樹は腰をかがめて扉の取っ手に手を掛けた。
「よ……いしょっと!」
ダンジョンの入口、なんて仰々しく書かれているだけに、ある程度の重さがあるんじゃないかと、直樹はなるべく重心を低くして全身の力を使い、取っ手を持って扉を持ち上げた。
結果、軽くも無く重くも無く。
直樹は、もう少し苦戦するほど重たいほうがお宝が眠ってる期待値が上がってよかったな……などと思いながらも、すんなり開いたことにとりあえずホッとしていた。
ゲームなんかじゃ、こういった扉に鍵がかかっていて中に入ることが出来なかった、というパターンも結構あるからだ。
あと、地下ダンジョンだけに、たいまつ的なアイテムが無いと暗くて中が見えない……なんて展開もありがちだが、
「おっ、明るいぞ!」
と、中から漏れる光に気付いて喜びの声をあげた。
扉を開けてすぐ目に入ったのは、明かりに照らされた階段。
「うーん……思ったより深そうだな……」
地上から見る限り、階段の終点が見えないことに多少の怖さを抱いたものの、この状態でスルーして尻尾を巻いて帰るほど臆病者では無い直樹は、怖さを警戒心に切り替えた。
「よし、行こう!」
「にゃーん!」
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