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食卓でからあげを食べながらスライムを話題にする家族ってどんだけ……と、お堅い人間には思われてしまうかもしれないが、これはこれでちょっと幸せ感じじゃったりするんだよな、と直樹は内心思っていた。
直樹自身が子どもの頃、両親が共働きだったため、家族揃って食卓を囲むという経験があまり無かったことが影響しているのかも知れない。
が、しかし、まさか妻の言うスライムが実在しているとは夢にも思っていなかった。
「なあ、さっき『庭でスライムを見た』って言ってたけど、庭ってソコのこと?」
直樹は箸を茶碗の上に置き、あいた右手で窓の方を指差した。
その手の動きに合わせるかのように、歩斗と優衣が指さす方へと顔を向ける。
……と、その時。
バタンッ!!
突然、けたたましい音が部屋の中に響き渡った。
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