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あてもなくブラブラとしばらく歩き続けていると……
ガサゴソガサ
近くの茂みが音を立てた。
「あっ、出てくるよ」
「えっ?」
歩斗が音のした方を見ると、ユセリの言葉通りスライムがぴょーんと飛び出してきた。
カラーは……水色。
突然の魔物登場だったが、歩斗は身じろぎ1つしなかった。
ついさっきまで居た地下ダンジョンで、スライムとは比べものにならないぐらい恐ろしい魔物に出くわし、さらにそれをあっさり倒したユセリが隣に居ることも大きかった。
そして、野性の勘とでも言うのだろうか。
水色スライムがユセリの顔を見て少しうろたえた表情を見せたかと思うと、次の瞬間……
「あっ、なんか邪魔してごめんなさイムゥ。帰りますイムゥ」
やぶからぼうに口から言葉を発した。
「えっ? 喋った!?」
驚く歩斗。
「それのおかげだよ」
ユセリはすぐに答えを示した。
「えっ……? これ??」
歩斗は、首に付けた〈魔物召喚スキルチョーカー〉に軽く触れた。
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