六丁目の角で

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片付けに時間がかかると思っていたが、思いのほか早く、二人は出てきた。 「お待たせ。」 「早かったね。」 「二人とも、まいて自分の分だけ片付けました。」 「じゃ、行こうか。」 二人が多分行かない同業のガールズバーに行く事にした。いつも、店の後で、物足りない時に一人で行っているバーで、結構、良い娘がいる店だった。 こっちに入り浸らなかったのは、指名ができないからだった。その店は、女の子が接客だけでなく配膳も行うのだが、近くを通った時に、挨拶してくれたりして、それはそれで面白い所だった。 席に座ってオーダーした。 「ありがとうございます。じゃ、準備しますね。」とそのバーの娘は、ドリンクを準備しに行った。 山野さんは自分が同じような店で働いてはいるものの、他店には来たことがないようで、もの珍しそうに、きょろきょとと店内を観察したり、ついてくれた店の娘と話をしたりした。 これはこれで、面白かった。唯一の誤算は、山野さんと松岡さんと店の娘の三人が意気投合して盛り上がって、放置された事だ。とはいえ、楽しそうにしている山野さんの横顔を眺めていられたので、悪くはなかった。
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