0人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな時に、山野さんに出会った。会った時は、入店して十日ほどだったような。まだ、慣れてなくて、当然擦れてもおらず、可愛らしい娘、といった感じだった。
「こんばんは、よろしくお願いします。」
手書きの名刺を差し出された。
「ありがとう。最近入ったの?」
「はい、入ったばかりなんですよ。まだ、良くわからなくて。」
「かわいいですよね。加藤ローサに、似てるって言われたりしません?」
ほんとにそんな感じだったので、そう言ったのだが、山野さんは少し恥ずかしそうに、照れた感じで笑ってくれた。
「じゃ、覚えて貰えるように、ローサ、って書いておきますね。」
山野さんはメモ用紙に、自分の源氏名とメアドを書いていたが、そこに”ローサ(はあと)”と加えて、破ってくれた。それが、山野さんとの始まりだった。
最初のコメントを投稿しよう!