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皆がウインドサーフィンを
楽しみ始めた翌日の夕暮れ前・・・
全く眠れなかった私は
ホテルのテラスから
皆の様子を眺めていた。
「有香さんは、しないのですか?」
ふいに後ろから未菜の声、
驚いて振り向いた私の形相が
異様であったのだろう、
未菜はかなり驚いていた。
「あ、なんだか・・・そう
仕事のことを考えてて」
「そうでしたか。
いつも総司さんが言ってます、
『有香は真面目過ぎて
思い詰めるから心配だ』って」
二人の話題に出る私?
「初めは総司さんは有香さんが
好きなのかと、ふふふ
心配しちゃったくらい」
無邪気な笑いが憎らしい・・・。
「未菜ちゃんは?サーフィンしないの?」
そういえば未菜はまったく
水着になっていなかった。
「私、カナヅチなんです。
全然泳げなくて」
未菜の後ろで夕陽が
半分落ちてきて・・・、
「まだみんな帰りそうにないから
堤防の方から夕陽を見る?」
私は未菜を誘った。
このとき、未菜が
「行かない」
そう言ってくれてたならば・・・。
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